「ずっと一緒にいたい」神の雫2巻 #10

<概要>
 帰国するアンナさんが恋人の美島社長に
 送ったワインに対する表現。
 表現の素晴らしさももさることながら
 物語も感動的で個人的に好きな回の一つ。

 「若いな。-だがその若さも悪くない。」
  は名言。


<表現>
 "苺畑に佇む後ろ姿の
  謎めいた乙女
  どこか懐かしいような
  甘い果実の
  芳香に誘われて
  近づこうとする"

 >>エマニュエル・ルジュ
  "期待して差し出した手から
   すり抜けるように
   口に含んだワインの余韻が
   儚く消えていくんだ
   まるで濃い霧の中に
   逃げ去っていくように"

 >>アンリ・ジャイエ
  "飲み込んだ瞬間
   ドキッとするぐらい
   印象が変わるんだ

  まるで後ろ姿の乙女が
   振り返ったように

   しかもその余韻を
   抱きしめると
   乙女はさまざまな
   表情を見せる

   初恋のような甘い微笑み
   初めてのロづけのようなはにかみ
   そして 最後にめくるめくような
   官能が永遠かと思うほどに続く"

  "アンナさんのその時の気持ちは
   「ずっと一緒にいたい」"

 

<表現の要素>
 >>エマニュエル・ルジュ
  ①苺畑に佇む後ろ姿の謎めいた乙女
  ②差し出した手からすり抜けるように
   余韻が儚く消えていく
   (濃い霧の中に逃げ去っていく)

 >>アンリ・ジャイエ
  ①苺畑に佇む後ろ姿の謎めいた乙女
  ③飲み込んだ瞬間ドキッとするぐらい
   印象が変わる
   (後ろ姿の乙女が振り返ったように)
  ④その余韻を抱きしめると
   乙女はさまざまな表情を見せる
  ⑤最後にめくるめくような
   官能が永遠かと思うほどに続く
  ⑥アンナさんのその時の気持ちは
   「ずっと一緒にいたい」

 

<ワインの要素>
 ①PNのイチゴやラズベリーの香り
 ②余韻の短さ
 ③香りと味わいのギャップ
 ④余韻の香りの複雑さ
 ⑤余韻の長さ

 

<背景の要素>
 ⑥帰国するアンナさんから
  恋人の美島社長に送るワイン

 

<キーエッセンス>
 永遠に続くような余韻
 (=ずっと一緒にいたい)


<表現の着想>
 非常に長い余韻を永遠とし、
 ずっと一緒にいたいとするメッセージを
 基軸としている。

 これを補完するように
 PN(ピノノワール)の特徴である、
 透明感のある色調と苺の香りから
 乙女という登場人物を生み出し、

 第一印象とのギャップや余韻の変化で
 乙女の動きが表現されている。

 

<実践への課題>
 乙女はPNの一般的な特徴から生み出されてるので
 PNのワインには使い回すことが出来そうです。

 これに香りや味わいの情報を追加することで、
 動きや感情を付加することが可能と思われます。
 
 こうやって分解するとなんだか出来そうな
 気がしてきますね...笑

 

<ワインの情報>
 ワイン名:ヴォーヌ・ロマネ・クロ・パラントゥ
 品種  :ピノノワール
 生産者 :アンリ・ジャイエ
 生産国 :フランス ブルゴーニュ
 生産年 :1999年

 ワイン名:ヴォーヌ・ロマネ・クロ・パラントゥ
 品種  :ピノノワール
 生産者 :エマニュエル・ルジェ
 生産国 :フランス ブルゴーニュ
 生産年 :1999年

 

<掲載巻>

 神の雫 超合本版(2) (モーニングコミックス)