「水浴びをする乙女」神の雫7巻 #67

@水浴びをする乙女

【概要】
今回は白品種の表現を見ていきます。
これはどんなワインか、表現を見ながら
想像してみると面白いかも知れません。

結構表現そのまんまです。

 

【表現】
"黄金色だ
春の朝の太陽を思わす
優しくて柔らかい
澄み切った金色

 

水浴びする乙女がいて
風に舞うアカシアの花びらが
香りとともに
その黄金色の色彩を
水面に浮かべている

 

乙女はそっと俺に口づけをする
すると蜂蜜のような甘味と
石を舐めるようなミネラル感
ヘーゼルナッツや梨
そしてどこかレモンのような
後味がいつまでも残る"

 

"テロワールなんだろうけど
このミネラル感
引き締まったナイスバディの
乙女ってとこかな"

 

【表現の要素】
①春の朝の太陽を思わす
 優しくて柔らかい澄み切った金色
②風に舞うアカシアの花びら
③蜂蜜のような甘味
④石を舐めるようなミネラル感
⑤ヘーゼルナッツ
⑥梨
⑦どこかレモンのような
 後味がいつまでも残る
テロワールなんだろうけど
 このミネラル感

 

【ワインの要素】
①黄金色の色調
②アカシアの香り
③蜂蜜の香り
④ミネラル系の香り
⑤ヘーゼルナッツの香り
⑥梨の香り
⑦苦味を伴う酸味
⑧硬質なミネラル感

 

【キーエッセンス】
黄金色の色調と多様な香り
(=朝の泉での乙女の口づけ)

 

【表現の着想】
まずワインの要素だけを見ると、
樽の利いたブルゴーニュシャルドネ
よくあるコメントって感じですね。

 

これにどこからか、
乙女と泉の要素を持ってきて
各要素で肉付けしています。

 

①②は泉の描写に使用しており、
香りや味わいの要素③④⑤⑥⑦は
大胆にも乙女からの口づけという
行為ひとつで全て語りきっています。
この表現のハイライトであることを
感じさせますね。

 

最後に特徴的なミネラルの印象⑧にて
どのような乙女だったかを結論付けて
完結という構成です。

 

表現だけ見ると複雑そうですが、
分解すると結構シンプルな構成でした。

 

【実践への課題】
表現的には複雑に見えますが、
口づけで全ての情報を受け取っているので
使い勝手がよく汎用性は高そうです。

 

しかも、
表現が1箇所にまとまっている分、
どのようなワインか想像しやすいので、
実用性もありそうです。

 

ただ、受け取る各要素が
明らかに上質なワインのそれなので、
乙女の口づけが如何に高貴かも
表現してるのかも知れませんね笑

 

【ワインの情報】
 品種  :シャルドネ
 生産者 :アルノー・アント
 生産国 :フランス/ブルゴーニュ/ムルソー
 生産年 :2001年