「ラッフルズホテル」神の雫19巻 #183

ラッフルズ・ホテル

 

【概要】
神の雫の第二のモンペラと呼ばれる
カサーレ・ヴェッキオの表現。

価格が2,000円なので、
ワインの情報はシンプルですが、
ワイン作りの手間隙を
ホスピタリティーとする表現に
グッときました。

 

【表現】
 "ここはシンガポール
  ずっと前に出張で訪れた
  あの日のことを思い出す
  飛行機が遅れて
  到着が夜になってしまった
  その日本よりずっと濃い夜の闇に
  幻想的に佇む白いホテル
 
  人気のないロビーに
  足を踏み入れると
  迎えてくれたのは
 
  たくさんの蘭の花
  そして溢れる香り
  情熱的で肉感的な蘭の香りと
  エレガントな内装や調度品
 
  そして深夜にも拘わらず
  笑顔で迎え入れてくれた
  ホテルマンたちの
  ホスピタリティーに包まれ
  俺は旅の疲れを癒された気がした
 
  ラッフルズ・ホテル
  このワインはあの古いホテルを訪れた
  刹那の忘れがたい思い出と重なる"

 

【表現の要素】
①日本よりずっと濃い夜の闇に
②情熱的で肉感的な蘭の香り
③エレガントな内装や調度品
④笑顔で迎え入れてくれた
  ホテルマンたちの
  ホスピタリティーに包まれ

 

【ワインの要素】
①濃い目のガーネットの色調
②凝縮感のある蘭の香り
③新樽フレンチオークのニュアンス?
④収量制限による凝縮度

 

【キーエッセンス】
収量制限による凝縮度
(=ホテルマンたちのホスピタリティー

 

【表現の着想】
本編にて語られていますがこのワインは
「一本の葡萄の木から本来8房収穫できる所を
 2房まで絞り込んで凝縮感を出している」
らしく凝縮感の高いワインであるようです。

この手間隙をホスピタリティー
表現するこの表現にグッときて
分析してみました。

また何故ラッフルズホテルなのか?
という点ですが、wikiで調べてみると

ラッフルズホテル
シンガポールの最高級ホテルの中で
最も客室が少なく全室スイートのホテル
であるようです。

実はこの点も凝縮感の表現の要に
なっているようで驚愕しました。

ここまでしっかり考えているのに
本編中では多くを語らない
亜樹直さんがまたにくいですね!笑

 

【実践への課題】
おそらくこの表現の着想は
ラッフルズホテルの密度を上げた
接客に感動したことから
きているものと思われます。

そしてその密度を上げることを
ワインに置き換えて凝縮感で
表現した姿でしょうか。

 

これを少し一般化すると、
感動的な出来事に遭遇したとき、
その感動的な出来事の要素を
抽出してワインに置き換えてみれば、
同じように表現に行き着ける
かも知れません...!

 

【ワインの情報】
品種  :モンテプルチアーノ
産地  :イタリア / アブルッツォ州
生産年 :2006年
ワイン名:カサーレ・ヴェッキオ
     モンテプルチャーノ・ダブルッツオ
作り手 :ファルネーゼ