神の雫の魅力

皆様は神の雫という
漫画をご存知でしょうか。

 

神の雫は全世界で
1,000万部以上の発行部数を誇る
ワイン漫画の金字塔的存在で
キャラクター個々人の魅力や
ワインに紐づいたストーリー構成、
統一された世界観などは勿論のこと、
ワインへの造詣の深さに至るまで
どこを切っても魅力的な漫画です。

 

中でもとりわけ魅力的なのは
独特な言い回しでワインを表現する
その芸術性ではないでしょうか。

 

その表現の例を挙げると、
ヴォーヌ・ロマネの
クロ・パラントゥ1999年では
以下のように表現しています。

 

 "苺畑に佇む後ろ姿の
  謎めいた乙女
  どこか懐かしいような
  甘い果実の
  芳香に誘われて
  近づこうとする"

 

 "飲み込んだ瞬間
  ドキッとするぐらい
  印象が変わるんだ
  まるで後ろ姿の乙女が
  振り返ったように

  しかもその余韻を
  抱きしめると
  乙女はさまざまな
  表情を見せる

  初恋のような甘い微笑み
  初めてのロづけのようなはにかみ
  そして 最後にめくるめくような
  官能が永遠かと思うほどに続く"

 

 "アンナさんのその時の気持ちは
 「ずっと一緒にいたい」"

 

上記のような比喩表現は
料理漫画ではよくあるように
思うかもしれません。

 

しかし、ワインにおいては
革新的な試みでした。

 

それはなぜか?

 

ワインにおいては
香りや味わいを表現する
コメントが共通言語として
ほぼ決まっているためです。

 

ワインには
ソムリエという仕事があるように
ワイン専門家が世界中に多数存在し、
ワインの香りや味わいといった
個人差がある感覚を相互に
説明する必要があります。

 

そんな時に共通言語がないと
ワイン毎の特徴を正しく伝える
ことが出来なくなるので、
まずはソムリエになるにあたり
コメントの共通言語を習得し
それが定着していく訳です。

 

また前項の記事にも書きましたが
ワインは香りや味わいから
国や産地、品種の特定が
(理論上)可能なように
分かっていないと下手なことは
言えないという問題もあります。

 

そのため、
自由過ぎる表現をすると
ワイン愛好家の読者から
厳しい目で見られる可能性が高い笑

 

そんな事情もあり
ワインを自由にしかも芸術的に
表現するというのはなかなか
ハードルの高いことでもありました。

 

そんな中でワインを理解した上で
自由にしかも芸術的にワインを
表現した神の雫はやはり
ワイン漫画のパイオニア
言えると思います。

 

それは全世界で1,000万部以上の
発行部数もそれを証明しています。

 

さらに言えば、若くして
全日本ソムリエコンクールで
優勝したあの岩田さんも
神の雫がきっかけで
ソムリエを目指したのだとか...笑

 

とにかく神の雫
多くの人を魅了している
ということです。

 


そんな人々を魅了する神の雫ですが
ここでもうひとつ疑問が生まれます。

 

なぜこれほど多くの人を
魅了しているにも関わらず
神の雫のような表現をする人が
現れてこないのか??

 

これに対して
自分が思う原因の一つは
神の雫の表現のやり方が
分からないという問題だと
思っています。

 

神の雫に感化はされるものの
どうやってその着想に至るのか
プロセスが分からず筆が進まない。
だから誰もやろうとしない。

 

しかし、プロセスさえ分かれば
誰でも自由に作れるのでは?
と思い、

 

神の雫のような表現をするための
プロセスを作ってみました。
(あくまで我流です笑)

 ①神の雫の表現技法を理解する
 ②影響する要素を理解する
 ③神の雫の表現を読み解く

 

これに従って進めれば
誰でも自由に神の雫のような
表現ができるようになり、それが
ブラインドテイスティングに次ぐ
新たなワインの遊びになるのでは
と期待して書いてみました。


神の雫の表現対象は自由なので、
IoTならぬWoTとして
様々なものと結びつき
極めればワインの世界観を
一つ上のステージに引き上げる
ことが出来るのでは??
と考えています。

 

今自分が試しているのが
なにか映画を一作観て、
その映画を表現するワインを探す
使途探しのようなゲームが
出来れば面白いかと思っています笑

 

これが自分が思う
ワインの魅力の2つ目です。

 

今はまだこれをやる人が
ほとんどいないので、
興味を持った方がいれば
是非一緒にやりましょう...!

 

今回の記事は以上になります。

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【雑記】

以下、雑記です。

 

自分は社会人になってから
エンジニアとして働いており
今は設計の仕事をしております。

 

設計には品質/コスト/日程全てを
成立させる最適解*が存在しており、
この最適解に近づけることが
設計の腕の見せ所だったりします。
(このゲーム性が面白い...!)


*最適解(以下の3つを成立させる)
 ①目標以上の品質を
 ②最も安いコストで
 ③日程通りに物を作る
 (いわゆるQCTってやつです)

 

しかし一方で、
最適解が存在するということは
理論上誰がやっても
結局行き着く先は同じであり、
個人の感性というものは
むしろ排除する必要があります。

 

自分は元々は感性が不要な
理論的なものが好きだったのですが
ここ数年これに疑問を抱いており、
何か仕事とは別な場で個人の感性を
発揮できる芸術系の趣味はないかと
色々趣味開拓していました。

 

上記にあたり例えば、
演歌にはまってみたり
写真にはまってみたり
寝てる時の夢をメモしてみたり
感性重視の趣味を模索する中で、
ワインでも個人の感性を発揮できる
可能性があることを示してくれたのが
この神の雫という漫画でした。

 

今はまだ出来る可能性がある
レベルの話で今後どうなるかは
分かりませんが今年一年でこれを
趣味に昇華できるかどうか
試してみようかなと思ってます。

 

同じような境遇の人は
世の中に数多いるかと思いますので
良ければ趣味開拓の参考にして下さい。