ピノノアールの迷路(第2回/機関誌170号)

ソムリエ協会機関誌
170号(P.88-93)のメモ

 

●共通特徴
・淡い色調
・酸は比較的強め
・タンニンはやさしめ


●FLIGHT.1
・カリニャン
・ガメイ
MBA

 

【カリニャンの特徴】
⇒色が結構濃い割に渋味がほとんどこない
⇒酸が明るくパリッとしたフルーツの印象
⇒チリではもともと色の薄いパイスに
 ブレンドして色を補うために使われていた。
フンボルト海流の冷たい風により
 酸味が得られる。
⇒さらにAlc.もあれば日照量があり冷涼な
 コースタル海岸よりのマウレか?
⇒ペッパーのニュアンス
 ドクターペッパーのようなスパイス
 ビーツ、ゲンチアナのような根っこ系
⇒外観にしっかりとした濃さと紫の色合い。
 その割に香りが穏やかでタンニンは強くなく
 酸味がそこそこある。

 

【ガメイの特徴】
⇒土っぽさや鉱物的な印象が出る
⇒赤系のフルーツのキャラクター
⇒酸味とタンニンは比較的穏やか
⇒タンニンは緻密で強く感じる場合も
⇒MC法の場合、キャンディやバナナ
 バブルガムと表現することも。
醸造法が変わると、アーシーさやミネラル感
⇒ムーランやモルゴンはタンニンの骨格がある


MBAの特徴】
⇒フラネオール由来のイチゴキャンディ香
⇒オークで深みを与えるタイプのMBA
 品種固有の特徴を全面に出すMBA
⇒イチゴ感の強さがタイプを分けるポイント。
 イチゴがしつこくない場合、早摘みか寒い年か。
 その場合、ハーブや樽を感じられることも。
⇒山形のMBAでは遅摘みで複雑さを上げることも
 フラネオールも増えるが他の香り成分も増す
⇒穂坂は上質なMBAで有名
 午後の太陽が当たる→ブドウの果皮が厚く
 →マセラシオンしても果皮が溶けず残る
 →皮のフェノールが抽出出来る

 

【ALL】
・酸がしっかりあると
 Alc.度数を高く感じにくくなる
・フルーツのピュアな感じ
 ⇒最先端の醸造技術のクリーンな感じ。
  コントロールされている。テクニカル。
・新樽比率の考え方
 ⇒新樽比率が高いからと言って
  オーキーという訳ではない。
 ⇒産地のバックグラウンドを
  踏まえてコメントする
・タンニンの種類
 このガメイのタンニンはさらっとしている
 しかし、軽くはなくネッビオーロのような
 マウスコーティング。口中を細かいタンニンが
 さらさらってなる感じ。砂埃のような軽さ。


●FLIGHT.2
・サンソー
・ネッロマスカレーゼ
・トゥルソー


【サンソーの特徴】
⇒根っこ系のニュアンス
⇒全体的にアーシーで少しフラワリー
⇒タンニンはパウダリーで口中を乾かす
⇒サンソーはAlc.が低め。
 Alc.12.5%を越えてくると一気に酸が落ちるので
 早摘みが基本。
プロヴァンスロゼは
 高Alc.でボディのあるグルナッシュと
 低Alc.で適度な酸をもつサンソーを
 ブレンドするのが基本。


【ネレッロマスカレーゼの特徴】
⇒エキゾチックスパイス。薫香。
⇒ボルカニックの土壌の影響でタイト。
⇒サンソーよりもタンニンは2,3段上の印象。
⇒色が淡くてタンニンが強い代表は
 ネッビオーロとエトナロッソ。違いは?
 ⇒外観ではネッビオーロが脱色しやすい。
 ⇒香りではネッビオーロは動物的。
  エトナロッソはスパイシー。
⇒海っぽいニュアンスも若干あり。


【トゥルソーの特徴】
⇒赤では群を抜いてタンニンが少ない品種
 アルボワのトゥルソーなど
⇒外観で感じる以上に非常に細かいタンニン


【ALL】
・タンニンが少ない場合、
 品種によるのか瓶熟で抜けたか。
 熟成感を踏まえて判断する。
・根っこ系の香り
 ⇒サンソーやカリニャン
・痩せた土壌でpHが低い
 ⇒ライムストーンのようにタイトで引き締まる
 ⇒ボルカニック土壌(シチリア,エトナ)
・探偵のように探り法律家のように語る

 

●FLIGHT.3
・ツヴァイゲルト
・チェザネーゼ
・PN

 

【ツヴァイゲルトの特徴】
⇒勾配品種独特の香り
 スイートポテト、甘い炊いた芋
ドルンフェルダーポルトギーザーにもあり

 

【チェザネーゼの特徴】
⇒色は濃く酸が強い
⇒土っぽい、田舎っぽい感じ。
⇒火山性土壌(スモーキーさ)
⇒ドライなチェザネーゼはマルベリーの香り

 

【PNの特徴】
⇒比較試飲すると崇高さが...
⇒ノーブルヴァラエティ?
⇒オークの印象。上級ワイン?

 

●Other
・酸を捉える時は品種由来か産地由来か
・wine grapesという本がおすすめ
・タンニンの細かい所までみる必要あり
・産地との組み合わせで答えに持っていく