「バリ島の夜」神の雫3巻 #22

<概要>
 ワインから取れる情報を順番にとり、
 あたかも自分がそこにいるように
 情景を説明していく表現手法です。
 
 物語的には何気ないシーンですが
 数少ないシラーの表現のため
 Pick upしておきました。

 

<表現>
 "ここは...バリ島?
  そうだ、いつかオヤジに
  連れていかれたあの不思議な島の一夜だ

  強烈な熱気と鳴り響く楽器の音、
  そして陶酔を誘う掛け声

  甘く官能的なエスニックの香りが漂う深い夜
  目の前には色とりどりのスパイスに彩られた
  さまざまな肉料理と完熟した果実

  カシス、プラム、ブラックチェリー
  そして少量のオレンジ

  セクシーな衣装をまとった
  踊り子たちの髪や身体を飾るのは
  アカシアそしてスイカズラの花びらだ"

 

<表現の要素>
 ①不思議な島の一夜だ
 ②強烈な熱気と鳴り響く楽器の音、
  そして陶酔を誘う掛け声
 ③甘く官能的なエスニックの香り
 ④スパイスに彩られた様々な肉料理
 ⑤完熟した果実
 ⑥踊り子たちの髪や身体を飾るのは
  アカシアそしてスイカズラの花びらだ

 

<ワインの要素>
 ①インクのような濃い色調
 ②Alc.度数の高さ?
 ③黒胡椒系のスパイシー
 ④↑
 ⑤カシス、プラム、ブラックチェリー
 ⑥アカシア、スイカズラ

 

<キーエッセンス>
 ワインの色調とスパイスのトーン
 (=バリ島の夜)

 

<表現の着想>
 ワインの色調から夜の背景を、
 シラーのスパイシーなトーンから
 エスニックな情景を設定している。

 ここに果実や花の香りの情報を付加し、
 情景に厚みを加えている。

 

<実践への課題>
 まずは色調で世界観を示して、
 ポイントとなる要素で主題を与えれば
 あとは取った情報で補完するだけで
 なんとなくそれっぽい気がします。

 間に挟む繋ぎの言葉は多少強引でも
 咎められることはないでしょう。

 

<ワインの情報>
 ワイン名:シャトー・ド・サン・コム
      コート・デュ・ローヌ
      レ・ドゥ・アルビオン
 品種  :シラー 50%
      グルナッシュ 15%
      ムールヴェードル 15%
      カリニャン 10%
      クラレット 10%
 生産者 :シャトー・ド・サン・コム
 生産国 :フランス ローヌ
 生産年 :2001年


<掲載巻>

 神の雫(3) (モーニングコミックス)