アルゼンチン(2020年度)

【アルゼンチン】
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【プロフ】
・2019/8/11:マリク大統領の大敗
 ⇒アルゼンチン国債のデフォルト懸念が再燃
 ⇒2001年、2014年にもデフォルト
・2018年の物価が前年比47.6%増
 ⇒国内消費も悪化
 ⇒アルゼンチンは国内消費依存のため、
  ワイン産業への影響大
・チリに対して流通コスト大
 ⇒アンデス山脈を越える輸送費
 ⇒関税(チリはEPAで関税ゼロ)
 ⇒ペソ安の為替ハンデ
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【歴史】
①16世紀
②19世紀後半
③1853年
1873年-90年代初頭
⑤1910年代
⑥19世紀後半-20世紀初め
⑦1960年代
⑧1976年
⑨1970年代
⑩1970年後半-80年代初め
⑪1982-91年
⑫1991年
⑬1982年
⑭1990年
⑮1999年
⑯21世紀
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①:伝道師によるVV品種の導入
②:ワイン消費が急激に拡大
 大勢の欧州移民の流入と鉄道の整備
③:農場試験場をメンドーサに開設
 植物学者
 ⇒ボルドー品種をメンドーサに入植
 ⇒酸化防止剤の導入
 ⇒マルベック=ラフランセサと呼ばれる
④:灌漑用水路によるブドウ栽培面積の拡大
⑤:伊移民によるボナルダと棚仕立て(パラール)
⑥:偉人紹介
⑦:大規模なワイン醸造施設
 :混植混醸のコモンワイン
⑧:メルシャンの浅井昭吾の伝記
⑨:個人のワイン消費量90L/人
⑩:ワイン消費量の減少
⑪:既存のブドウ樹が36%引き抜き
⑫:個人のワイン消費量55L/人
 :既存の販売モデルの崩壊
  ⇒輸出市場の開拓
⑬:ニコラス・カテナ
 :ロバートモンダヴィより技術を学ぶ
⑭:CSでヴァラエタルワインをリリース
⑮:サラテスでスティルワインに参入
 :シャンパーニュのシャンドン
 :1959年よりスパークリングを生産
 :標高に適した品種の栽培
⑯:産地の個性を生かした栽培に
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【ヴィティスヴィニフェラ種の導入】
①スペイン:パロミナ・ネグラ
カナリア諸島:リスタン・プリエト
③アルゼンチン:クリオジャ
④チリ:パイス
⑤北米:ミッション
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【ブドウ樹を運んだ伝道師】
①1540-60年
②1561
③1562
④16世紀前半
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〇経路
①ペルーからアルゼンチン北西部
②チリからアルゼンチン西部
③チリからアルゼンチン西部
④スペインからアルゼンチン北東部
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〇伝道師
②ペドロデルカスティージョ
③フアンフフレ
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〇開拓地
サンティアゴ・デル・エステロ
②メンドーサ
③サンフアン
パラナ川流域
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【アルゼンチンワイン界の人々】
 ⇒別途。
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【気候風土】
・ブドウ畑は海抜450-2980mに位置
・大陸性の巨大なワイン産地
・積算温度分布の幅が広い
・湿気が少なく除草剤が不要
・雹の被害を受ける
 ⇒アンチ・グラニソで防ぐ
・Zondaによる風害(フェーン現象)
アンデスの雪解け水が利用出来る
・栽培地は高度と緯度のバランスが重要
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〇標高によるブドウへの影響
 ⇒日照量が多い:日射が多く光合成が促進
  :糖とタンニンの量が増加
 ⇒空気が薄い:夜間の温度を急激に下げる
  :呼吸を抑制し酸の消費を抑える
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〇灌漑の方法
 ・フラット灌漑からドリップ灌漑に
  ⇒フラット灌漑では水分多寡に。
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〇仕立て方の変化
 ・従来は大量生産向けのパラール
 ・後に収穫量を抑えるため改良
  ⇒天井部を剪定(コルドンスパー?)
  ⇒夏季剪定
 ・新しい畑はVSP
  ⇒違いは新梢の伸ばし方
   VSP:垂直
   パラール:水平
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〇日焼け問題
 ・畝(うね)の方向を南北から東西に
 ・アンデス山脈で西日を遮る
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【主要品種】
①マルベック
②セレサ
③ボナルダ
④CS
⑤クリオジャ
⑦ペドロ・ヒメネス
⑧トロンテス
⑫メルロ
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①:交配は
  マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント
   xプリュヌラール
 :ウドンコ病、遅霜、開花時の湿気に弱い
 :マルベックデー(1853/4/17)
  ⇒メンドーサに初めて植栽
 :房も果粒も小さく引き締まっている
 :タンニン量は海抜が上がるほど増加
 :苦く収斂するタンニン(モノメリック)
  ⇒海抜が上がり冷涼なほど減少する
 :強い紫外線から守るため果皮が厚くなる
②:英語のチェリー
 :果皮がピンク
 :塩分の強い土壌に耐性あり
③:イタリア移民が持ち込んだ品種
 :ドゥース・ノワール(サヴォア産)と同一
  (イタリアのボナルダとは異なる)
⑤:シノニム複数あり
⑧:3つの亜種がある。
  1)・リオハーノ
  2)・サンフアニーノ
  3)・メンドシーノ
 :交配はマスカットオブアレキサンドリア
   xクリオジャ・チカ←(1と(2
 :3)はもう一方の交配不明
 :カファジャテが個性的で高品質
⑫:交配は、
  マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント
   xカベルネ・フラン
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【ワイン法と品質分類】

・1959年11月6日:法律14878公布
・Instituto Nacional de Vitivini
 ⇒国立ブドウ栽培醸造研究所が
  ブドウ栽培とワイン生産を管轄
・1999年10月6日:法律25173公布
 ⇒品質基準を分類
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【ワインの分類】
・17条にて分類を規定
①Vinos Genuinos
②Vinos Especiales
③Vinos Espumosos
④Vino Gasificado
⑤Vino Compuesto
⑥Chicha
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①:新鮮なブドウ/果汁のスティルワイン
 :地域/収穫年毎に最低ボーメ度(?)
②:三つのタイプがある。
A:Alcが12.5%以上で、潜在Alcが15°GL以上
B:ブドウで造ったAlcを加えてAlcが15%以上
C:濃縮果汁、ミステラ、プロペ、
  もしくはブドウで造ったAlcを加え、
  総潜在Alcが15°GL以上
③:二次発酵をさせたスパークリング
 :20℃で4気圧以上を有するもの。
④:スティルワインにガスを注入した
  スパークリングワイン。
⑤:ワインに芳香物質や甘味を加えたもの。
  ヴェルモット、キニーネ、トニックなど。
⑥:アルコール発酵の途上の甘いワイン。
 :Alcが5%になる前に発酵を止め
  糖分を最低80g/L以上含有しているもの。
 :濃縮果汁で造ることは禁止
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【品質分類】
・ビノ・デ・メサ(コモンワイン)
・フィノ(ファインワイン)
 ⇒DOC/IG/IPの3つの分類にて管理。
・産地名表示はワインはIGとDOCの二つ(?)
 IGはブドウの産地名呼称のみ
 DOCはブドウの原産地と製造基準も規定
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〇IP(Indicación de Procedencia)
・当該地のブドウを80%以上使用で産地名表示可
・ブドウ品種に関する規定なし。
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〇IG (Indicacion Geografica)
・特徴のある限定された産地名。
・産地と醸造地が当該IG域内に(包装地は不問)
・使用品種はヴィティス·ヴィニフェラ種
・産地と醸造地が異なる場合は
 双方を包含したより広いIG名を記載
・ワイン100Lに対して該当地のブドウ130kg以上
・IGワイン用ブドウ品種
 [赤品種] :多数あり
 [ロゼ品種]:ゲヴェルツトラミネル
 [白品種] :多数あり
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〇DOC(Denominacion de Origen Controlada)
・当該地のヴィティス·ヴィニフェラ種
・当該地で規定の方法で醸造·瓶詰
・当該DOCが定めた植樹密度、勇定法で栽培
・規定の単位当たり収量と搾汁率
・最低アルコール度など醸造上の規則を遵守
・分析値とボトリング数を当局に報告
・DOCは2つのみ
 2005年:DOCルハン·デ·クージョ(メンドーサ)
 2007年:DOCサン·ラファエル(メンドーサ)
・DOCは自由度が少なくNWではIGが主流
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【熟成期間に関する表示】
①Reserva
②Garan Reserva
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①:オーク樽で最低1年熟成した赤
 :オーク樽で最低6か月熟成した白
②:オーク樽で最低2年熟成した赤
 :オーク樽で最低1年熟成した白
・オーク容器の容量は規定なし。
・オークチップやオークステイヴの使用可
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【品種名および生産年の表示】
・輸出市場向けワインはEU規則に
 例)品種と生産年が異なるワインがブレンド
 ⇒85%以上で品種名/生産年を表示可
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【スパークリングワインの表示】
①Nature
②Brut Nature
③Extra Brut
④Brut
⑤Demi Sec
⑥Dulce
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①: 0g/L(ドサージュ・ゼロ)
②: 2g/L未満
③: 2g/L- 8g/L
④: 8g/L-14g/L
⑤:14g/L-25g/L
⑥:25g/L以上
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【ワインの産地と特徴】
・生産者団体ワインズ·オブ·アルゼンチン
 ⇒ワイン産地を4つに分割
①ノルテ(北部)
②クージョ (中央部)
パタゴニア(南部)
アトランティカ(大西洋沿岸部)←2017年
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④:SBやPNなどが栽培
 :IGは以下の2つ
  ・IGチャパドマラル
  ・IGビジャベンタナ
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【ノルテ地方(北部)】
・ブドウ栽培地はカルチャキヴァレー
・中心はカファジャテ
・カファジャテのトロンテスが有名
・亜熱帯に属すが標高が高く冷涼
・以下の州を包括
 ①サルタ州
 ②トゥクマン州
 ③カタマルカ州
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【クージョ地方(中央部)】
南アメリカのブドウ産地で生産量最大。
・以下の州を包括
  ラ・リオハ州
  サン・ファン州
  メンドーサ州
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〇メンドーサ
・ブドウ栽培面積アルゼンチン全体の約70%
・大規模ワイナリーのほとんどがメンドーサ
・強い日差しと少ない雨
 ⇒毎年、ブドウが完熟する。
・カビや菌類由来の病害は極めて稀。
 ⇒薬剤散布が不要で有機栽培可能。
・主要な品種はマルベックとトロンテス
・以下5つのサブリージョンを持つ
①メンドーサ北部
②メンドーサ川流域
③ウコ・ヴァレー
④メンドーサ東部
⑤メンドーサ南部
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①:標高が最も低い(標高550-700m)
 :主に白品種が栽培
②:伝統的なブドウ畑が多い
 :主要品種はマルベックとセミヨン
 :近年、シャルドネやSB
 :ルハンデクージョ
③:以下の総称として呼ばれる
  ・トゥプンガト
  ・トゥヌジャン
  ・サン・カルロス
 :2019年1月 PiPAを創設
  ・IGパラヘ・アルタミラの12生産者
  ・土壌研究による地理的表示の認証
④:平地が多い
⑤:主要品種はシュナンブラン
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〇サンフアン
・メンドーサに次ぐ栽培面積
・標高は460-1,400m
①トゥルムヴァレー
②ソンダヴァレー
③ペデルナルヴァレー
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①:標高 630m
②:標高 900m
③:標高1,400m
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①:サンフアンで最も暑い地域
 :主要品種はボナルダ
②:主要品種はタナ
③:2000年頃より開発が始まる
 :冷涼な産地
 :品種はSB、PN、シャルドネなど
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パタゴニア地方(南部)】
・ブドウ畑の標高は4m-670m。
・栽培地域の中では最南端で標高も低い地域
・遅霜のリスクが少なく、成熟期間が長い
 ⇒白品種やPNなど早生品種の栽培に向く
・以下の州を包括
  ①ラパンパ州
  ②ネウケン州
  ③リオ・ネグロ州
  ④チュブ州←近年栽培が開始
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〇ネウケン
・標高400-460m
・南緯39度パタゴニアの冷涼な気候
・一年を通してほとんど雨は降らない。
・南極からの風が強い。
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〇リオ・ネグロ
・ブドウ栽培地としては標高が最も低い。
パタゴニアの大陸性気候
・PNのスパークリングワイン
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【料理】
・地理的要因と移民的要因が特徴
・世界的に有名な牛肉の産地
・東西南北に広がり様々な作物がある
・スペイン移民とイタリア移民の影響
①ノルテの料理
②中央部クージョの料理
③中央部パンパの料理
④首都ブエノスアイレスの料理
⑤南部・パタゴニアの料理
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①:インカの伝統とスペイン人の文化。
 :ジャガイモ、トウモロコシ、ピーマン
 :Humita
  ⇒クリーム状のトウモロコシと玉ねぎ
  ⇒カルチャキヴァレーのトロンテスに合う
②:名産品はブドウとワイン。
 :様々なフルーツや野菜。
 :特筆すべきはオリーブ。
 :特に希少品種Arauco種のオリーブ。
③:自然のハーブが豊富
 :腸詰が特産物(特にピエモンテ移民による)
 :酪農も盛んで各種チーズが有名。
 :蜂蜜も特産品。
④:牧畜業が盛ん
 :牛肉はAsadoとして食べる
 :家庭料理はイタリアの影響が強い。
⑤:ラム肉、キノコ類、ベリー類が有名
 :ドイツや中欧州からの移民が多い
   ⇒ビールとチョコレートの習慣
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